第19回 慈悲の神様に届きますように
2011/06/01
お中元の起源は、古代中国の風習にさかのぼります。上元(1/15)、中元(7/15)、下元(10/15)の「三元」の真ん中、慈悲神様を祀る夏の風習が仏教の盂蘭盆会と結び付き、日本でも供養やお供えの習慣に転化したものとされています。
江戸時代以降、ちょうど一年の半ばに来たあたりを機に、お世話になった人へ感謝の気持ちを込めて贈りものをする習慣として定着したのが「お中元」です。旧暦の7月15日ですから、新暦の多い東日本では7月初旬から7月15日まで、反対に西日本では、月遅れの8月初旬から8月15日までが概ねその時期にあたります。
「母の日・父の日」に続いて、今回は「お中元」のパンフレットの手書き文字もお手伝いしました。このパンフレットでは、表紙の筆文字だけでなく、中面の手書きロゴや吹き出し文字も書いています。全国のサークルK、サンクスの店頭に置いてありますので、ぜひ手にとってご笑覧下さい。
ところで中国の三元で祀るのは、上元は天神様、中元は慈悲神様、下元は水と火の神様。今年の日本では特に感じるところの多い夏ですが、「慈悲の神さま」にはぜひともいつにも増した大活躍をお願いしたいところです。。。
※サークルKサンクス/お中元ギフト
https://www.cksu-okurimono.com/pc/index.html
※デジタルカタログ(e-book形式で見られます)
第18回 さらに美味しく、そしてありがたく。
2011/05/24
丹後のお米農家、京都祐喜の香山さんから「今年も田植えが始まりました」とのニュース。年を経て人は変われど、脈々と受け継がれてきた自然との共生の形がここにあります。
この看板とのぼりは、天橋立駅から車で15分ほど、香山さんの田圃に立っています。作付けされているお米は、私がお手伝いさせて頂いた京都丹後のコシヒカリ「歌人」。筆文字ギャラリーのコーナーでも一度ご紹介しました。
筆文字のバリエーション no.12 京都丹後・特別栽培米こしひかり『歌人』ロゴ/社判(角印)
自然は時に無慈悲で残酷な横顔を見せますが、一方で、私たちが生を営むための、豊かな実りを育む母親のような存在でもあります。今年の秋にはまた、きっといつもの年よりさらに美味しく、そしてありがたく感じながら頂きたいと思います。
※京都祐喜HP
http://kyoto-yuki.net/index.html
http://kyoto-yuki.net/utabito/index.html
第17回 伝説のレディース、仏恥義理の青春!
2011/05/18
仏恥義理、と書いて「ぶっちぎり」。イマドキの若者には「何ソレ?!」って感じでしょうが、今から20年ほど前、僕らはそんなフレーズをよく耳にしていました。個々をソーシャルに結ぶ時代への過程で、労働組合や政党や町内会なんかと同じように、レディースだの暴走族だのチーマーだのといった「集団」も、その必然性や価値を失っていったんだろうな、などということを改めて感慨深く思ったりしました。
この作品は、中村すえ子さんという、いわゆる伝説のレディース総長の自伝を、関顕嗣監督が映画化したもの。15歳にして東松山に拠点を置く「紫優嬢」の総長になり、当時のレディースファンからカリスマ的な人気を博した彼女の、その数奇な運命と親子の絆を描いたストーリー。見た目の派手な印象と違って実は地味で真面目な作品ですが、関監督の丁寧な作りのお陰で、実話の語る重みがじんわりと心に残る秀作です。
今回はこの映画のタイトル文字「ハードライフ」、それに作品中に出てくるト書きの筆文字をお手伝いしました。「紫の青春・恋と喧嘩と特攻服」なんて、まさか自分で筆で書く日が来るなんて思ってもいませんでしたが(笑)、劇中に出てくる当時の実物の「特攻服」やのぼり、垂れ幕など、どれもみんな素敵な「文字」ばかり。デジタルのない時代だからこそ、「思い」や「気持ち」がこうした文字一つ一つに生き生きと表現されていたのでしょう。
主人公すえこを演じたのは、寺島咲さん。まさにレディース全盛期に産声を上げた清純派の彼女が、凄みのあるレディース総長を熱演しています。礼儀正しくて、でも大物のオーラを感じさせる期待の女優。他にも秋山莉奈さんや元カリスマレースクイーン山崎みどりさん、元日テレジェニックの小田あさ美さん、「マスカットシリーズ」(TX)で人気のRioさんなど、フォトジェニックな面々が特攻服を身にまとって迫力の演技を見せています。
関監督との縁がきっかけですが、飲んだくれのDV親父を演じるパンチ佐藤さんはご近所さん友達、すえこを最後まで見守る母親役の秋本奈緒美さんは僕の初恋の人☆…おそらくデジタルのない時代から育まれていた、人と人とのいろんな繋がりを感じたお手伝いでした。
※映画『ハードライフ』公式サイトのトレーラー最後に、私の筆文字が出てきます。
http://www.hard-life.net/trailer90.html
※原作/中村すえこ「紫の青春~恋と喧嘩と特攻服~」(ミリオン出版刊)
第16回 筆文字にできること、自分なりにできること
2011/05/13
関西エリアの大手イベンターや放送局、メディア各社が発起人となった大規模なチャリティーライブが、5/14(土)に万博公演で開催されます。
http://www-kansai.jp/
元気が出るような明るいタイトル文字を、と頼まれて、『顔晴ろうニッポン! 手をつなごう関西!』の筆文字をお手伝いしました。「顔晴ろう」と書いて「がんばろう」。上手いとかヘタではなくて、多くの人の笑顔をイメージできる温かい文字を書こう、そう思って心をこめて筆を取りました。
ふと気付けば、なんとなく街の中には、力の入った「がんばろう!」が多い気がして…。本当に大変な人はすでに目いっぱい頑張ってるわけなので、こういうゆるーい感じの「がんばろう」があってもいいかなぁと。
今回のライブ、出演アーティストも植村花菜、海援隊、加藤登紀子、キマグレン、スタレビ、Char、HOUND DOG、藤井フミヤ&藤井尚之、渡辺美里…と往年の大御所が勢揃い、の感じです。でもこうして音楽で「力になれる」人はいいですが、今回の震災では自分のできることって本当に限られていて…。おそらく、自分のどうしようもない無力さを感じたのは僕だけではなかったと思います。
でも、本当の復興までにはこれから何年も、いや何十年もかかるはずです。その道程の中で、自分に出来ることを少しずつ、そして長く長く続けていければと思っています。
第15回 今年の「母の日」「父の日」によせて
2011/03/24
このたびの震災にて被災された方々、ならびにそのご家族、ご友人の皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。
あの日以来、被災地の方々に対して募金や節電しかできない自分をもどかしく感じていましたが、徒に支援物資を送っても、あるいは専門知識や特殊な能力がない者が現地に行っても、かえって地元の負担になるだけだ、というのを以前から聞いていましたので、「余計なことをしない勇気」を持って毎日を過ごしてきました。
それでも、ニュースを見るたびに立ちすくみ、涙をこらえられずにいる自分がいます。守るものがある幸せ、求められるものがあることの喜び、そして何気ない日常・・・。今回のことで、忘れかけていたたくさんの大切なことを、改めて思い出させてもらっている気がします。
折しも、私がお手伝いしたパンフレットが、全国のサークルKサンクスに並ぶようになりました。今年の母の日は5/8(日)、父の日は6/19(日)。ウィキペディアによれば、南北戦争中のアメリカで、敵味方を問わず負傷兵を看護するために地域の女性を結束させたアン・ジャービスという女性の死後、その娘のアンナが亡き母親を偲んで記念会をもったのが、「母の日」の起源と言われています。1908年、最初の「母の日」にアンナが配った赤いカーネーションが、以後、母の日のシンボルとなり、1914年にはアメリカの祝日になりました。お母様が亡くなってしまっている人でも、白いカーネーションで故人を偲び、冥福を祈るならわしもあるそうです。
被災地では、今もなおたくさんの「母」が、痛みや苦しみを乗り越えて多くの人を救っているはずです。日頃なにかと忙しさにまぎれて忘れてしまいがちですが、こうして元気に生きていられることの幸せに感謝しながら、同時に、これから何年も何十年もかかるだろう被災地復興の道程の中で、自分ができること、すべきことをしっかりと考えていきたいと思っています。
【サークルKサンクス「母の日」ギフト】
トップページ ⇒ https://www.cksu-okurimono.com/pc/index.html
ペラペラめくって読めるデジタルパンフレット ⇒ http://cksu-okurimono.info/pc_catalog/book0036.html#2
第14回 「ひな祭り」~日本の文化を世界に伝えたい、ある姉妹の祈り~
2011/02/24
広島に「ひな祭り文化普及協會」という非営利団体があります。2003年の設立以来、「ひな祭りコンサート」などの運営をコツコツと続けているのですが、このたび開設された公式HPのタイトルに、私の筆文字をご提供しました。
ひな祭りに関するサイトというと、ひな人形を販売する専門店やメーカーが作成するものがほとんどですが、非営利でひな祭り文化を伝えようと努力されているのが清川紗衣さん。以前私がお手伝いした「マスラオ」の主催者、響和堂の仲村さんのお姉さまです。仲村さんをして、ひな祭り文化を伝え育てることへの姉の情熱は並大抵のものではない、とのことですが、私からすれば、まさに仲村さんの響和堂の活動とも重なるところがあります。「日本の文化を伝えることに、世界平和の祈りを込める」こと、そして「みんなが幸せな気持ちになれること」に対して、時間とエネルギーを惜しまない姉妹の営みです。
オープニングムービーには、奥村愛さんの流麗な音楽とともに、江戸時代の浮世絵師・歌川豊國(三代)による「三ツ会姫ひゐな遊びの図」が使われています。この絵を実際に所蔵しているのは、羊羹で有名な老舗和菓子店の「とらや」さん。この絵をバックに、「愛と和の心育む日本文化 ひな祭り」の文字が浮かびます。流麗で端正なイメージになるよう、そして特に日本文化の象徴である平仮名を大切に書きました。
サイトには、ひな祭りの歴史や人形の考察はもちろん、「全国雛めぐり」、おみくじやゲームコーナー、レシピなども。3月20日(土)には、広島市南区民文化センター大ホールにて9回目の「ひな祭りコンサート」を開催予定。たまには、3月3日に改めて思いを馳せてみるのも楽しいかもしれません。
※「ひな祭り文化普及協會」(オープニングムービーに筆文字を提供しています)
http://hina-matsuri.jp/
※響和堂代表・仲村さんのブログでも
http://kyowado.exblog.jp/15910261/
第13回 バレンタインにも「和」の時代
2011/02/16
先日このコーナーでご紹介した、シャンソン歌手・劉玉瑛さんのライブでは、本当に多くの方にご来場頂きありがとうございました。完全に満席になってしまい、皆さんにはとても窮屈な思いをさせてしまいましたが、お陰さまでいいライブになりました。この場をお借りして、たくさんの方にお礼を申し上げます。
ライブの日がバレンタイン・イヴとあって、劉さんがお客さまのために用意したお土産が、写真のチョコレートどら焼でした。その名も『ちょこみかさ』(189円)。菓匠・清閑院さんのオリジナル商品ですが、商品名は筆で書かれた仮名の細字。横文字のトリュフやケーキも人気ですが、他の人と少し違った演出を狙うにはいいかもしれません。ダークブラウンのパッケージにピンクの花柄、和風なのにモダンなデザイン。甘さを控えたカステラの生地に、カカオ風味の濃厚なチョコレートクリームをはさんだもので、口当たりも後味も素敵でした。
もう一枚の写真は、友達のゆっきーがバレンタインにとわざわざ作ってくれた、手書きの似顔絵ケーキ。ちゃあんと眉毛がスパゲッティのようにぐるぐると渦を巻いてたりして、似てます(笑)。手書きの温かさがしみじみと伝わる、嬉しい一品でした。
※ライブ当日の模様がわかる、劉さんのブログ
http://ryugyokuei.blog79.fc2.com/blog-entry-371.html
※「しょこらみかさ」の菓匠・清閑院の公式サイト
http://www.seikanin.co.jp/
第12回 マドンナを訪ねて、大人の遠足
2011/02/03
とある土曜日、遊び心を忘れない中年男子5人で出掛けた、第一回「オヤジの遠足」。私以外は、劇団扉座を率いる横内謙介さん、人気イラストレーターの溝口イタルさん、大手広告代理店のイケメン敏腕部長、それにお馴染みデザイナーの吉野さん。一人ひとりが個性的で、ついついこの人たちの背中を追いかけたくなるような、全員がめちゃ素敵なオヤジたちです。
出発前には、溝口さんのイラストに私がロゴを添えた、吉野さんデザインの缶バッチも完成☆ 帽子、胸、襟、カバン・・・思い思いの場所にバッチをつけて調布の街をブラタモリ。怪しい建物、懐かしい面構えの店、おかしな看板、不思議な人だかり・・・。こうして何も考えずに歩いていると、ついいろんなものが気になって仕方がない、それがまた実に楽しいのであります。
今回のテーマは吉野さんアレンジの「僕らのヒーロー、ヒロインに会いに行く」。ウルトラセブンのアンヌ隊員で一躍有名になった「ひし美ゆり子さん」のエスニック料理店でランチの後は、深大寺で「鬼太郎」に再会。甘酒を飲み、楽焼の絵付けを楽しんでから、今度は世田谷美術館へ。実はここ、文人、画人、映画監督など往年のアーティストの貴重な直筆が見られる穴場です。夜は祖師ヶ谷大蔵に場所を移し、スチュワーデスものの金字塔「アテンションプリーズ」のヒロイン、「紀比呂子さん」が経営する加賀料理の和食割烹「はく」で夕食。
一枚一枚、「はく」と丁寧に筆書きされたお箸袋が、紀比呂子さんの優しい人柄を映します。紀さんが結婚後の金沢で学んだという加賀料理の数々は、大胆な発想の中に繊細な仕掛けがたくさん隠された逸品ばかり。「実はファンだったのです・・・。」紅顔の少年に戻っておずおずと切り出した遠足オヤジたちに、「あら嬉しい。それは楽しい企画ですね、次ももう決まってるんですか?!」と、どこまでも優しい紀さん。紀さんを囲んで記念写真を撮り、第一回目のオヤジの遠足は解散となりました。。
・・・今度は遠足ではなく、抜け駆けしてまた来ます♪
■「加賀料理・はく」
世田谷区砧8-3-10 砧OKマンション103号/03(3417)2071
※小田急線・祖師谷大蔵駅より徒歩5分、
営業は17時半~21時半、月曜日と第2・4日曜定休。
第11回 神戸の歌姫と、バレンタイン・イヴを
2011/01/18
今回の筆文字散歩は、「祭ばやし展」のパーティで毎年ミニライブをしてもらっている、劉玉瑛さんのソロライブのお知らせです。劉さんの歌からヒントを頂いて、去年は中島みゆきさんの「糸」を、今年はシャンソンの名曲「青春の旅立ち」を、それぞれ作品にしました。劉さんはパーティの時だけでなく、毎日のように受付も手伝ってくれているので、期間中に観に来て下さった方ならすでにご存知かもしれません。
シャンソンの世界をもっと身近に・・・そんな思いを抱いて、2年前に大都会に独り飛び込んできた劉さんのひたむきさに惹かれて、微力ながらささやかなお手伝いをすることにしました。
ピアノは大貫祐一郎さん、そしてギターは祭ばやし展のパーティでもお馴染みの井上善彬くん。シャンソンだけでなく、ポップスやジャズもまじえながら、バレンタイン・イヴの夜を優しく演出します。六本木「サテンドール」のオーナー・井上さんのお心遣いも頂いて、今回は特別に、フリーフード、フリードリンク付き。南欧料理の美味しいディナーとともに、バレンタインイヴの冬の一夜を心ゆくまでお楽しみ下さい。
★と き 2011年2月13日(日) 18:00開場/19:30開演
★ところ 六本木『サテンドール』 TEL 03-3401-3080
東京都港区六本木4-11-5 六本木ビルアネックス4F http://www.leglant.com/satindoll/
※地下鉄六本木駅6番または7番出口より徒歩3分。
ジャズファンならずとも一度は訪れたい、名店中の名店です。
★出 演 劉玉瑛 w/大貫祐一郎・井上善彬・中村雅哉
★料 金 南欧ビュッフェ食べ放題・フリードリンク付き 男性8,000円/女性7,000円
★主 催 東京フェスタストリングス(担当:小林覚) e-mail / s.kobayashi@pia.co.jp
※1月16日(日)より予約受付。全席自由(限定80名さま)。お申し込みはどうぞ私まで。
詳しくは劉玉瑛さんのブログ「Bonjour」をご覧下さい。
http://ryugyokuei.blog79.fc2.com/blog-entry-351.html
※劉さんのHPからも申し込めます。mixiにも劉さんの日記が☆
http://ryu-gyokuei.net/
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1657800942&owner_id=3248959 (友人まで公開)
■劉玉瑛(ヴォーカル/神戸市出身、2月8日生まれ)
2003年より、シャンソンを風かおる氏に師事。2001年~/有馬温泉浴衣レディ、2003年/サンテレビガールズ、 2004年~/神戸 シークイーン、2005年/スマイル神戸親善大使などの活動を経て、2006年の第22回全日本アマチュアシャンソンコンクールにて グランプリを受賞。次世代のシャンソン界を担う、若手美人シンガーとして各界の注目を浴びる。
サンテレビ「好き神戸」の観光ガイド役を続けながら、2009年からは活動拠点を東京に移し、都内シャンソニエやライブハウス、パーティなどで活動中。ポップスやジャズなどの幅広いレパートリーに加え、透明感と伸びのある歌声が高く評価され、第47、48回パリ祭ではその全日程に出演、固定ファンを確実に増やしている。過去7回のソロライブは常に満員で、今回はその8回目。2011年のブレイクを前に、いま最も眼の離せない旬のヴォーカリスト。
■大貫祐一郎(ピアノ)
1976年東京生まれ。洗足学園大学ピアノ科卒業後、ペギー葉山、上條恒彦、クミコ、雪村いづみ等との共演のほか、ポップス、ジャズ、シャンソン、と幅広いジャンルで活動中。最近では卓越したオーケストラアレンジが高い評価を受け、2008年には東京交響楽団(前田憲男指揮)と共演。長身の甘いルックスにも注目の人気ピアニスト。
■井上善彬(ギター)
幼少から音楽に親しみ、高校では軽音楽部に所属し、ライブハウスでの活動をスタート。音楽専門学校に進学、ギタリストとして本格的に仕事を始める。現在はポップス、ロックの他にジャズ、ラテン、シャンソンなど、あらゆるジャンルに幅を広げて活躍中。
■中村雅哉(パーカッション)
専門学校卒業後、ラテン音楽をベースに、様々なアーティストのサポート、レコーディングに参加。現在「CMPビックバンド」、「1984'sビックバンド」、アコースティックおちゃめ楽団「RORO」を中心に活動中。その他、フュージョンバンド等にも参加。
第10回 年賀状・・・出すことよりも、想うこと。
2011/01/06
明けましておめでとうございます。
昨年中は大変お世話になりました。お陰さまで昨年は、筆文字のフィールドをぐぐぐっと広げることができた一年でした。この年末年始も、映画のタイトルやコンビニエンスストアのパンフレット、あるいは教科書などにご提供する筆文字を、一つ一つ、楽しみながらお手伝いさせて頂きました。
年明けにはたくさんの皆さまからお年賀状を頂きました。本当にありがとうございます。
そういう私は、年が明けてからようやく宛名書きを始めた有様で、誠に誠に申し訳なく思っております。
皆さまには、失礼の段をどうかお許し願えればと存じます。
皆さまからの葉書を見ていてとても嬉しくなる発見の一つに、たくさんの方が私の宛名を手書きで書いて下さっていることがあります。直筆のコメントを書き加えて下さっている方も多く、そのたびに感激しながら一枚一枚を拝見しています。
手書きの文字には、その人が「字を書いている時間」を感じさせる強さがあります。確かに面倒くさいことかもしれませんが、相手の方のために間違いなく使われている時間というのは、受け取った方だけでなく、出す方にとっても大事なものなのでは・・・と思います。プリンターから次々と出てきたものを投函するのと違って、宛名やコメントを書いている間、相手の方の顔を思い浮かべて、元気にしているかな、幸せに過ごしているかな、そんなことを考えることこそ、年賀状が持つ本当の意味なのでは、と思います。
私も、700人の大切な皆さま一人ひとりのことを想いながら、宛名書きをしています。メールやパソコンやゲームなど、新しいコミュニケーションの形が普及する中で、人の手による文字の温かさ、優しさ、素朴さを少しでも広く伝えていけるよう、今年も微力を尽くしたいと思っております。
今年もどうか皆さまの温かいお力添えのほどを、よろしくお願い申し上げます。
「筆文字散歩」の軌跡(2010~2009年)はこちら