あるパーティを通じてお知り合いになった、響和堂の仲村映美さん。制約の多い中で頑張っている、邦楽の若手演奏家たちに活躍の舞台を与えよう、と、利益追求そっちのけで奮闘されているその姿勢に感銘を受け、コンサートのタイトル文字をお手伝いすることとなりました。
マスラオ(益荒男・大丈夫)とは、万葉の歌にも登場する「立派な男」を意味する古語。今回の公演、前半は二十五絃箏の中井智弥くんとヴァイオリン・白須今くんによる和洋の弦楽器の協演。続く後半は、今最も注目を集めている若手の尺八演奏家、岩田卓也くん・石垣秀基くん・中村仁樹くんの3名による新しいユニットが創り出すエキサイティングな尺八三重奏。
特に後半の3人は、東京藝術大学尺八専攻の先輩後輩とあって、同じ楽器のライバルでありながら、共に切磋琢磨しているメンバー。性格もルックスも演奏もタイプが違う3人のキャラクターともあいまって、尺八の音色がこんなにもバリエーションに富んでいるものなのか、ということを改めて実感したライブでした。
ところでこのタイトル、最初は「MASURAO」「益荒男」と別の案もあって、あえて漢字、カタカナ、英文字の3種類の筆文字をご提供することにしました。こうして並べてみると、実は最も強いインパクトと判読性を持っているのが、カタカナであることが分かります。
最終的には、日本人がオリジナルで生み出した“カタカナ”を、文化の融合や独創の象徴として公演のタイトルに使うことが決定。中でも、若々しい男らしさや堂々とした風合いを持つこの文字が採用となりました。
5人ともイケメン、そしてプロフェッショナル。天は二物を与えた、とは彼らのことかと思うような輝き。気になる方は、彼らの今後を要チェックです。
※『マスラオ』コンサート
2010年8月22日(日)16:30~/座・高円寺2
http://kyowado.jp/katsudo_kako_masurao.html
響和堂・仲村映美とスタッフによるブログ「湧玉 wakutama」